復興支援事業 ふくしまバトン

おかやまバトン(パネルディスカッション)

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私たちが得たもの

私たちには大切にしている四つのつながりがあります。一つは今日の主催団体であるふくしまバトン及び日本舞踊里の子会の皆さんとのつながりです。
里の子会の皆さんとの繋がりは、2011年の震災直後、岡山は東北からは離れているけれど、それでも私たちに何かできるんじゃないか、でも一体何が出来るんだろうと頭を悩ませていたところ、里の子会(当時はほとんどが小学生)の皆さんが原発事故による放射線の影響で合宿稽古場が使えなくなり、でもどこかで踊りを頑張りたいと願っていると知って、それならば岡山に来てめいっぱい踊りの練習をしてもらい、またしっかり岡山を楽しんでもらって、離れていても応援してる人がいるんだということを感じてもらえたら…そんな思いから「子ども受け入れプロジェクト」活動をしてきました。

里の子会とふくしまバトン

里の子会の皆さんは、私たちの活動を受けて、支援される側からする側に成長したいと、2013年にバトンという名前を受け継いだ、本日の主催団体である「ふくしまバトン」を結成しました。さらに今日こうやって熊本からの皆さん、こんなにたくさんの来場者の皆さんともつながることができた、これが本当につながりの力なんじゃないかと思います。

志津川中学校野球部

次に私たちが大切にしているのは、宮城県南三陸町の志津川中学校野球部の子供たちとのつながりです。
こちらも震災直後におかやまバトンの当時のメンバーの一人が志津川に訪問したところ、野球部の子供たちが仮設住宅でグラウンドが半分埋まってしまっている状況の中で、一生懸命野球をしている姿を見て、この子供達にのびのびと広い運動場でしっかり野球を楽しんでほしい、そんな思いからじゃあこの子たちを岡山に招こうよということで声をかけさせていただいたのが始まりでした。
志津川中学校は現在でもまだ仮設住宅がグラウンドに残っており、その中でサッカー部とか色々な部活と交代交代でなんとか部活動している状況で、そのニーズがある限り私たちからも繋がり続けていきたいなと考えております。

そしてメンバーとの繋がり、これも支援活動をしていたからこそ得られたものです。 学生団体なので代替わりという特徴があり、初代の代表と今の代表とは違うのですけれども、始まった当初からの「私たちにできることを何かしたい」という思いをずっとここまで続けてこられたのは、一緒に頑張れるメンバーがあったからこそだと思います。

一緒に頑張るメンバーとのつながり

おかやまバトンは単独で成り立っているのではありません。岡山で私たちを応援してくださっている様々な方とのつながり、これも私たちが支援活動を通して得た大きなものの一つです。

つながり

震災直後の大変なとき、福島県の子供たち、宮城県の子供たちに「今だけは全てを忘れて(岡山で)楽しんで欲しいんです」と訴えたら、本当にたくさんのが協力して下さいました。
例えばある有名なパティシエの方は「僕がケーキを作ってあげるよ」と声をかけてくださったり、岡山には上山集落と言う棚田が有名な場所があるんですけども、そこでは「じゃあ僕のところに来て田んぼを貸してあげるから、そこで自然体験をするといいよ」と具体的に応えてくださる。他にもたくさんの、様々なつながりを得たからこそ、 私たちはここまでの活動を続けることができました。
活動をしていなければ知ることがなかったかもしれない東北とそこに住まわれている方々の魅力、また防災・減災を日頃からしっかり備えておくことの大切さ。 震災については当初、どこかテレビの中の出来事のような感覚が私にもあったのですが、活動を重ねていく中で「私たちが主体的に、自分たちのこととして考えていかなきゃいけないんだ」と捉える意識が生まれました。

岡山からできること、岡山だからできることに加えて、岡山にできることとして、これまで私たちが吸収してきたことを発信していく役割を持たされてます。 学生である強みを活かして SNS などを活用したり、防災のイベントを開いたり、また自分たち自身でさらにしっかり勉強を深め、学内に広めたり、いざ何かあった時に培ってきたものが活かされていくような状態、先ほどの天野さんのお話にもあったのですが、そういったまちにしていくことが私たちにできることなんじゃないかと思います。

伝えるための防災イベントとして今いくつか企画しているものをで紹介させていただきます。まず一つは防災キャンプです。これは岡山中央公民館さんと操山中学校の生徒さんと一緒にやらせていただいています。防災キャンプって何?という方もいらっしゃるかもしれませんが、突然の災害時に自分が何をすればいいのか即答できる人はやはり少なくて、だから有事を想定したリアリティのあるキャンプを実践し、皆で協力し合いながら避難や対処ができるようになるためのイベントです。
二番目は、主に子供たち向けに企画しているもので、おかやまコープさんという企業団体の「コープフェスタ」というイベントで、新聞スリッパ、そして新聞の器作りを教えています。新聞一枚でも工夫すれば緊急時にいろいろなことに役立てることができます。子供たちにそういったことをわかりやすく伝えることで、普段から備えることが大切なんだなという意識を持ってもらえるような活動を目指しています。

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