復興支援事業 ふくしまバトン

うつくしま・ふくしまへようこそ!

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福島から、心をつなぐ復興支援
子どもがふみだす ふくしま復興体験応援事業

感謝の気持ちを込めて

ふくしまバトン代表
諏佐 葵

 平成28年に震度7を観測する熊本地震が発生し、避難生活を余儀なくされている方々、被害の大きさをニュースで見て、同じような経験をしてきた自分たちだからこそ出来る事があるかもしれない、ただ何か寄り添いたいと思い、前回は「福島から熊本へ繋げるバトン」として熊本支援事業を行いました。
  この事業ではさまざまな学びを得ることが出来ました。震災後、間もない中でも笑顔を絶やさず人々が助け合っている姿、同世代の若者が前を向いて力強く生きている姿を見て、あの時の自分たちとも重ね合わせながら、逆に大きな希望と勇気を与えていただきました。
 この経験から、支援する側される側という垣根にとらわれることなく互いに支え合っていくことの大切さを知り、今後は一面的に支援していくような発想ではなく「繋がり」を主軸とした活動を展開していきたいという気持ちを固めました。
  今回の継続事業では西原村立西原中学校のみなさん、岡山大学・おかやまバトンのみなさんを福島に招き、各地の魅力や復興の現状などを伝えながら、3つの団体がそれぞれの経験や思いを意見交換することを通じて、若者自らが創造する未来について考えていく事業を企画しました。
 準備を重ねていく中で、おかやまバトンとの意見のすれ違いがあったり、また活動費をどう集めればよいかなど、当初考えていた以上にやるべきことがたくさんあり、メンバー同士で途方に暮れたり、泣きながら話し合ったこともありましたが、参加者みんなの笑顔が見たい、共に繋がりたいという願いと、未熟な私たちを温かく見守って下さった多くの方々のお陰で、最後までやり遂げられたと思います。
  また、熊本との間を親身になって取り持ってくださった岡山大学教授の前田芳男先生、連携団体として一緒に創り上げてくださったおかやまバトンのみなさん、趣旨に賛同し快く協賛して下さいました企業・個人の支えによってこの事業を形にすることが出来ました。この場を借りて心から御礼申し上げます。
 最後になりましたが、今後とも私たちの活動にご理解をいただき、ご指導ご鞭撻賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

1.実施主体「ふくしまバトン」

ふくしまバトンは日本舞踊を習う花柳流福島里の子会という団体のメンバーで結成されたボランティア団体です。現在、幼稚園生から大学4年生まで約30名で活動しています。
東日本大震災直後2011年に放射能の影響で毎年行っていた夏合宿の宿が取れなくなりました。そんな時に「おかやまバトン」のみなさんが夏合宿として岡山に一週間招いてくださいました。岡山合宿3年目には、おかやまバトンのみなさんのように誰かを支えられる存在になりたいという思いから「ふくしまバトン」を設立しました。また、5年目には、これからは支援者同士としてつながっていき、いつか共同企画をしたいと思い、夏合宿を最後とし5年間の感謝の気持ちをおかやまバトンのみなさんをはじめ、岡山の沢山の方々に踊りで伝える事が出来ました。
昨年はおかやまバトンと初めての共同企画「熊本事業」を行うことが出来た。この事業では被災者と支援者は互いに支えて支えられているのだと感じ、今後は繋がる活動をしていきたいと確認することが出来ました。そして今年はその継続事業として福島・熊本・岡山が集まり未来を考える事業「うつくしま・ふくしまへようこそ!~未来への一歩~」を実施しました。

2. 連携団体 「おかやまバトン」

おかやまバトンは東日本団震災を受けて、岡山県内の学生と大学職員を中心に設立されました。「息の長い被災地支援」、「岡山で・岡山だからできること」を軸とし、東北からは離れた岡山という地で長く支援を行うことで、被災地の力になること、そして災害の少ない岡山県の防災意識を向上させることを目的とし、現在活動しています。
主な活動としては2011年から毎年夏には里の子会の子どもたちを、冬には宮城県の志津川中学校野球部の子どもたちを一週間ほど岡山県に招待するプロジェクトを実施してきました。震災の影響で合宿所が使えなくなったり、グラウンドの半分が仮設住宅であったりと、思うように活動できない子どもたちにのびのびと日本舞踊や野球をしてもらっています。それだけでなく、岡山県内の人々と交流の場を作り、応援している人がいるということを伝え、不安を小さくし、心の支えとなれるような企画を用意しています。
このプロジェクトでは被災地支援というものを越えて、笑顔の持つ力、人々の温かさ、岡山県の素晴らしさをメンバー全員が肌で感じています。

3. 参加者団体 西原中学校

西原中学校は熊本県熊本市南阿蘇村にある中学校です。熊本地震で大きな被害を受けた場所です。昨年、西原村の方と同じ時間を共に過ごすことを目的とし、熊本行を行いました。その時に西原中学校のボランティアクラブ「れんこん」と交流することが出来ました。そのことから、今年も一緒に活動したいと思い、事業に参加していただきました。
西原中学校のみなさんは震災後、支えてくださった方々に恩返しをしたいという思いから「西中“絆”プロジェクト」を立ち上げました。人文字で感謝の気持ちを伝えたり、学校のホームページに自分たちの元気な姿を掲載しています。

鶴ヶ城にて

4. プロジェクトの経緯•目的

目的

昨年の「熊本震災支援事業」では、特に西原村立西原中学校の生徒達との交流で学んだことが大きかった。同じ被災者である若者が前を向いて生きている姿に、支える側であった自分達が逆に元気をもらった。そのことから支援する側もされる側もお互いが支えて支えられているのだと実感し、今後は「支援する」活動ではなく「繋がる」活動を目指したいと確認した。
そこで今年は昨年の継続事業として「西原中の生徒達」「おかやまバトン」を福島に招聘し、福島の魅力や現状を伝える。また「震災から得たものを未来へ繋ぐ」をテーマとした青少年シンポジウムを開催し、三団体(震災がなければ出会わなかった若者達)が共に未来を考える事業を行うことにした。主な目的は以下の通りである。

●未来へ繋ぐ

震災から得たものをどうやって未来へ繋いでいくのかを若者達の視点からディスカッションして社会へ発信していく

●福島の復興

福島の現状、魅力を知ってもらい、招聘者自らが感じたことを各々の地で発信(メディア、SNS)し、福島の観光誘致に役立てる
それらを共有し、福島の復興に向けて新たな魅力発見や今後の課題を確認する
桃狩りなどを行い、福島の食の安全性を学び、各地で発信してもらうことで、風評被害払拭を目指する。

●各地でお互いを応援する

お互いの抱えている課題やしていきたいことを共有し、今後どう繋がれば社会貢献できるのかを模索する
事業終了後、各々の地で随時活動を共有し、発信し続けることによって、広範囲に活動を知ってもらい、共に地元から日本を元気にする。

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