復興支援事業 ふくしまバトン

ふくしまバトン(パネルディスカッション)

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天野:震災から得たものというのは一体何だったのかというのはね、先ほど荒木先生の方から6年5ヶ月経ってというお話があって、では何を得たのかって、多分今まではあれも失ったこれも失ったというようなことをやっぱり数えて行ったんだと思うんですけども、得たものって何だったのかって言うのこれから多分ね我々は福島や熊本で見ていかなきゃいけないし、でその側にいた岡山の諸君ていうのは、それの証言者になるだろうと思うわけですよね。
その中で何をって考えて行った時に、いくつかわかったことがあって、それはもう3人のパネラーの人たちがおっしゃったことに重なるわけですけども、長野県に白馬村っていう地域があって、先ほどの3時間で救出っていうのも凄いですけども、白馬村も「白馬村の奇跡」って言われていて、実際にそこに行ってその自治会長さんにお目にかかってお話を伺った時に、実は何で奇跡って言われてるかって言うと、やはり西原と非常に似ていて、全壊していたお家はたくさんあったんですけども、どこに人がここに寝ているみたいなのが普段から共有されていて、夜が明けて救援部隊が来るわけですけども、その前に全て救援を終えていた。村民が勝手に重機とか持ち出してきて、そんなの関係ねぇよって言ってましたけど、おまけに地区の被害状況みたいのも役所にすぐに出せた。
そんなことをよく急に出来ましたねって、普段からやってたんですね、だから地域の中で要望活動って、我々はすごく都市部であればあるほど個人でこうやってここがおかしいからとすぐ役所に電話するけど、地区は自治会長のところに上げるっていうルールがもうあって、そしてじゃあ議会の人は何やってるの、いらないんじゃないですかって聞いたら、議員はそれに同行するのが役割だというのが決まっていて、だから当然被害状況がどうなのかっていうのは地震じゃなくても普段からやってることなので、「大規模な被害だからまとめておかないとな」と夜明けと同時にそれを出して、役場の人と一緒に状況を見聞してったって言う。
だから白馬村の奇跡って言われてますけど、奇跡でもなんでもなく、普段からやっていたことをやっただけなんです。
そういう話をすると、西原村も白馬村も田舎だからさ、人も少ないし繋がりがあってね、じゃあ岡山なんて人も一杯いるからそんなの難しいんじゃないのって、でも本当にそうでしょうか。
実は、荒木先生もまちづくりの中で防災のお話をされるときにご指摘されるかもしれませんけど、普段からの地域づくりの話を今日しました、でもまあそういう話をしておきながら、こんなこと言うのもなんですけども、例えばみんなが東京に何か仕事とか用事があって行った時の都内の電車で災害に遭ったらどうしますか?首都直下地震に遭ったらば。
田舎に帰ってればコミュニティはしっかりしてて何とかなるんだけど…と諦めますか?

実は僕はその場コミュニティという考え方を最近一生懸命提示をしていて、その場でコミュニティを作っていく力、というのが緊急時には非常に要求されます。
先ほど紹介したビックパレット福島っていうのは「その場コミュニティ」なんです。結局コミュニティの崩壊したところで作って行ったわけですよね、さっきのお話の通りに。視点が交流と自治だったということで。

例えば想像してみてください。電車の中で直下地震があって電車が止まりました。幸い横転しなかった、そうするとどうですか?想像すると、我先に降りようとする人がいますよね、その時にその場コミュニティですよ。
「まだ降りるな!」って。架線が切れてまだ電流がついてるかもしれない、そうしたら感電して死ぬかもしれないから安全性が確認出来るまで、まだ降りるなって。
そして「僕と一緒に降りて安全を確認してくれる人はいませんか?」って、大声で呼びかける。もう一方で通学途中だったりすると、中学生とか小学生とか泣いてたりするかもしれない、「周りの人、大人の人、子供たちが泣いてるから安心させてください」「じゃあ僕と一緒に降りてくれる人」って、それはもうその段階でその場コミュニティですよね、つまり〝正しい方針を持った声の大きい仕切れる人〟というのが本当に大事だし、じゃあ、みんながみんなそういう役割を果たせるかって言ったら、それは果たせないんですよね。どうするか。
例えば荒木先生がそういうに電車の中で大声で叫ぶ、すると荒木先生はその時にコミュニティーのリーダーになるわけですよね。なぜリーダーになれるかって言うと、一人ではリーダーになれないわけですよ。この荒木先生がリーダーになれるって言うのは、フォロワーがいるからリーダーになれる。
「いや荒木さんの言う通りだよ、じゃあそうしようよ、僕も点検に電車を降りますから」ってなった段階で、フォロワーがついて初めてリーダーが誕生したことになるんです。
君たちもね、いろいろな組織をね束ねているとそうでしょ。「私がリーダーです!」って一人で言ったってそれは「そうですか」って言われるだけで、そうじゃなくてやっぱりそういう考え方支持するよって、じゃあ君をリーダーとして認めようっていうそのフォロワーの存在、だからその場コミュニティのお話をした時に今のリーダーとフォロワーの関係性も含めて、自分がそんな大声を出してね、こうだろ、ああだろうっていうことはちょっとできないかもしれないけども、そういう声を出す人がいたらそのそれに対する判断も含めて、支持するフォロワーにはなれるだろうと。まあそれこそ福島で言うと赤べこになろうってことですね。こうやって頷くって言う(笑)。
その場コミュニティーの考えまでお話しして私のコメントにしたいと思います。ありがとうございました。

荒木:天野先生ありがとうございました。さっき岡山のコミュニティの大きさみたいな話もしましたけれども、実は僕岡山にいるときに町内会の役員をなぜだか回ってきてやらされたことがあるんですけど、その時に感じたのは、コミュニティの大きさじゃなくて、やっぱり機能するかどうかなんだと思うんですよね。
やりたくもないイベントを何時間も会議にかけて、やるって事じゃなくて、当然寂しさを埋めていくっていう意味の企画は必要なんだけれども、やっぱり参加する人たちの多くが少なくてもそれをやってることに意味を感じるようなことやっぱり生み出し続けると言うか、リニューアルできる力がないと、それはコミュニティとして機能しないじゃないかなっていうのはその当時から思っていて、いろいろ提案をさせていただいたりするので、コミュニティのあり方ってどういうものかなって言うことを今日を機会に、皆さんでまた考えて行ければすごくいいんじゃないかと思います。
本当にこういう機会なかなか全国離れたところのみなさんが集まってというのは貴重な機会だと思います。
お時間を過ぎましたけども司会の方にバトンの方をお返したいと思います。ありがとうございました。

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