復興支援事業 ふくしまバトン

ふくしまバトン(パネルディスカッション)

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震災直後世界中の様々な人が福島を心配してくださいました。顔も知らない誰かが顔も知らない私たちのことを想ってくださっている。そのことは怖くて怯えるしか術がなかった私たちにとっては希望の光でした。そんなたくさんの有形無形の支援があったおかげで、私たちは「ただ立ち止まって下を向いているだけでは時間がもったいない。どうせ明日何が起こるかなんてわからないのだから、今を楽しく明るい未来を創造して生きて行こう」、と考え方が変わりました。
私たちはここまで生きてきて、震災後たくさんのことを得ることができました。受け取ったそれを次に伝えていかなければ、残していかなければ、私たちが震災を経験した意味、今放射能とともに生きている意味が無くなってしまいます。
私たちが残せるもの、残していきたいものは、それはどれだけ悲惨であったかということではなく、どれだけ大変で辛い思いをしたことでもありません。
どんな状況でも人はピンチをチャンスに変えられるのだ、人は強く明るく生きていけるのだ、人は温かい心を持って手を取り合いながら繋がっていけるのだ、ということを伝えたいのです。
辛かったけれどそれがあったからこそ、こうして生きている今がある。このことを私たちは次世代に、次世代の子供達に、そして未来へも伝えていきたいのです。

世界中には今も様々な問題があります。毎日どこかで争いと苦しみが起こっています。でも私たちは思うのです、あの震災時の温かい心を持ち続ければ誰もが手を取り合って生きていけるのではないかと、それは誰もが根底に持っているものだと、私たちは強烈に感じました。
なぜこんなにも想ってくださるのか、なぜ人に手を差し伸べることができるのか、私たちもそんな風になれるのか、自分に繰り返し問いかけました。
今は思うのです、その心は人が本来持っているものなのに、文化や価値観、宗教などの様々な違いから理解しあえずに争いが起こるのではないかと。自らの本質を忘れずに持ち続け、またはそれに気がついていれば、その違いだって実はちっぽけなことで、認め合い尊重し合い生きていける。そうすれば世界は平和になるのだと私たちは思っています。
そしてこの事を世界中に伝えることは私たちだからこそできることです。あの時たくさんの愛を一身に受けた私たちだからこそ伝えていけることなのです。
壮大な話だと思うかもしれません。でもだからこそ私たちはやっていきたいのです。世界中から教えていただいたことを鏡のように伝えていくことこそが、その時の恩返しになると私たちは思っています。

また、それを証明できる存在が、実は今日ここに集まった岡山・福島・熊本の繋がりだと私たちは考えています。最初に温かい心をおかやまバトンの皆さんから受け取り、それが私たち自身の中にもあったのだと気づくことができました。そして熊本の皆さんとその心で繋がろうとすると、さらに自分たちも受け取りました。
本日集まった私たちならば、世界中に自らの存在そのものでアピールしていくことができると考えています。
私たちが世界の平和のキーポイントだと考えると壮大すぎて胸がとてもワクワクします。
できるかできないかは分からないですが、やってみたいです。
これが(輪唱)私たちの今の夢です!

私たち福島バトンの発表を終わります。礼。

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