伝統文化みらい広場 福島の民俗芸能

震災から未来へ 福島の民俗芸能 次世代継承のためのシンポジウム

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2012年10月21日(日) 開演13:00 福島県文化センター 小ホール

主催:伝統文化みらい広場実行委員会
後援:福島県・福島市・福島市教育委員会
助成:全日本社会貢献団体機構

第一部 シンポジウム

パネリスト

小島 美子
国立歴史民俗博物館名誉教授・日本民俗音楽学会前会長

福島県出身。東大文学部、東京藝術大学卒業。東京藝術大学、お茶の水女子大学、早稲田大学で教鞭。昭和60年国立歴史民俗博物館教授となる。61年日本民俗音楽学会を結成、副会長。東北、沖縄などを訪ねてわらべ歌を、また民謡などの民俗音楽を調査・研究。著作に「日本の音楽を考える」「日本音楽の古層」「日本童謡音楽史」など。

懸田 弘訓
福島県文化財保護審議会委員・前二本松市教育委員会委員長・民俗芸能研究家

福島大学学芸学部卒業。県立高校教諭のあと、県教育委員会で文化財保護を担当、県立博物館学芸課長を歴任。会津大学・東北学院大学非常勤講師。ラジオ福島パーソナリティーとしても活躍。民俗芸能学会福島調査団団長。著作に、「福島のわらべ歌」「ふくしまの祭りと民俗芸能」など。

第二部 実演と解説

1、浪江の本城御神楽

本城御神楽は昭和10年ごろからの歴史があり、浪江町の秋祭り「十日市」や元旦に浪江神社に奉納されてきた。各家庭を回って厄払いするなどハレの日の行事には欠かせない郷土芸能として親しまれてきた。

2、郡山の子ども昔語り

NPO語りと方言の会は、2001年7月7日から9月30日まで開催された「うつくしま未来博」のパビリオン『からくり民話茶屋』です。
200万県民の参加で運営される地方博のコンセプトにのっとり『からくり民話茶屋』は、かや屋根づくりから、民話ステージ、運営ボランティアと総勢500人もの参加者でおおいに盛り上がり、〈ジャパン・エキスポ大賞〉を受賞しました。せっかく巻き起こった民話のムーブメントを一過性のもので終らせたくないというボランティアの熱い思いがあって、未来博終了後の2002年7月、NPO語りと方言の会が設立されました。
主な活動としては、JR郡山駅の「おばあちゃんの民話茶屋」の運営や、「夏の民話祭」「わがまち方言弁論大会」の開催など毎年続けており、さらに新しい語り部養成のために「子ども語り部教室」なども行い、地域に残る方言や昔話の継承と保存に力をいれています。これからもたくさんの子ども達にあたたかいふくしまの言葉を各学校はじめ地域の方々と連携し伝えていきたいと思っています。

3、除石の獅子舞

伝統文化の伝承と健やかな子供の成長を願い発足した子供獅子舞も20年を迎えました。この獅子舞は、宮城県境に近い梁川町山舟生字除石52番地に建立されている十一面観世音菩薩様を祀っている観音堂に伝わっているもので400年以上も前のものと思われます。
5年前までは、春と秋の祭礼日には、38戸の構中を獅子舞をして回りましたが現在は、春の旧3月17日に近い日曜日のみとなりました。
諸般の事情で決定したものです。
でも、この獅子舞は、地区イベントであるアジサイ祭り、敬老会、羽山神社秋季例大祭には発表要請がかかり、悪魔退治と年配者に言われ、踊りの途中に多くの方が花を投げ入れます。本当に有り難いことです。
演目には、道おき、かど付け、トンヒャラロ、そぞろき、はせ掛り(かがり)、雌獅子掛唄、唄ぎりがあり、本日披露させて頂きます。
子供の減少で継続の不安はありますが、伝承芸能の意義、ふれあいを大切にして、五穀豊穣、国家安泰、無病息災を願い継承に努力して参りたいと思います。

4、請戸の田植踊

浪江町請戸は、県内でも古い歴史を誇る港があることで知られている。
この地の田植踊は、もと青年会が継承していたが、近年は小学4年から6年の女子児童で、2月第3日曜日の鎮守神社の「安波祭り」に、社殿前と海岸の祭場で踊っている。
踊り手は、早乙女と才蔵各7名と中打ち2名で、民謡「相馬流れ山」で舞い込み、中打ち2名を挟んで早乙女と才蔵が向き合って踊る。このあと「大漁節」「伊勢音頭」の手踊がつく。踊り納めると、再び「相馬流れ山」で退場する。県内ではもっとも芸能化が進んだ美しい踊で、文化財としての価値も高い。
今回の大震災で、請戸地区は全戸が流出し、144名が亡くなった。しかし、皆さんの熱意で震災4か月後の平成23年7月初めに練習を始め、同8月にいわき市の「アクアマリンふくしま」をはじめとして各地で披露した。今後も公開が予定されており、子どもたちは元気に頑張っている。

5、除石の千秋万歳

かつて、お正月となると家内安全、商売繁盛、五穀豊穣と万歳師の唄と舞、鼓の音が遠くから聞こえてくると子供達は、滑稽な話と唄、踊りに引き寄せられ付いて回ったと聞いています。玄関先での万歳には、小さな皿いっぱいのお米がお祝いと聞いています。
豊かな家では、一升の米と100円のお祝いを差し上げたそうです(一生百まで長生き・家も繁盛)。そうした時は、多くの舞と演目が披露され、付いてきた子供にもおいしいオコボレがあったようで、腹をすかしていた子供にとって楽しみだったようです。
戦前、当地区には2組の万歳師がおり、泊まり込みで遠くまで行ったそうです。
消えてしまった万歳期間が長かった為、掘り起こしに多くの時間がかかりました。確かな継承はできませんでしたが、御年始万歳と千秋万歳ができるようになりました。
地区イベント等に参加依頼を受け披露しています。太夫と才蔵の文言、祝言は誠に素晴らしいものです。

6、郡山の子ども昔語り

7、大波住吉神社の三匹獅子舞

昭和37年1月に、福島市の無形民俗文化財に指定を受け、毎年秋の例祭に奉納を致しております。
獅子舞と鬼舞がございますが、本日は獅子舞を披露したいと思います。
獅子舞は、小学生を踊り手に中学生に太鼓、笛は保存会のメンバーで構成されております。舞の種類は「宮参り」「らんじょう」「三拍子」「六拍子」「舞ざし」「弓くぐり」「橋かけ」「雌獅子かけ」の他に、門付けを頂いた時に舞う「お礼の舞」がございます。
最近の少子化や、原発事故等の影響を受けて、舞を舞う児童が極端に減ってしまい、今後の獅子舞の存続が非常に困難な時を迎えておりますが、多くの皆さまにご支援いただき、今年も例祭に奉納することができました。ありがとうございます。

8、 二本松郭内若連囃子連中

秋の夜を彩る無数の紅提灯。町中に響き渡る人々の歓声と囃子の音色。夏が終わり肌寒く感じられる季節を、男達の熱い心意気が駆け抜ける。それはわずか三日間に一年のすべてを懸けた男たちが演じる、壮大な物語。――――
私達郭内若連会は、毎年10月4日、5日、6日に開催されるこの伝統行事「二本松神社例大祭 二本松提灯祭り」を執行する七つの若連会(本町、亀谷、竹田、松岡、根崎、若宮、郭内)の一つです。結成から五十余年。他の若連会と比べて歳若ですが、一人一人が自分の町に誇りを持って太鼓台(山車)を引廻しています。
今年から福島県重要無形民俗文化財に指定され、まさに市全体が一丸となって祭典を盛り上げようという気運が高まっています。その折にこのような場に出演できること、大変光栄に感じております。
本日は精一杯お囃子を披露させていただきます。ここにお集まりの皆様が僅かでも祭典の雰囲気を共有していただければ幸いです。

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