福島の文化(福島市広報)

未来を生きる子どもたちへつながる福島の伝統文化のバトン

お稽古風景

次世代に日本舞踊の文化を継承しようと思ったきっかけは、文化庁委嘱事業「伝統文化子ども教室」の1つとして平成17年からスタートした日本舞踊の教室でした。教え子たちによる「福島里の子会」の活動が、東日本大震災を機に福島PR活動の一翼を担い、さらには「民俗芸能バンク」を始めるまでに成長した軌跡について、「伝統文化みらい協会」の花柳沙里樹さんに伺いました。

子どもたちの日本舞踊をやりたい!という声で続いた「福島里の子会」

高校時代から日本舞踊を始め、現在は師範として、子どもたちに日本舞踊を教える花柳沙里樹さん。「活動当初は礼儀作法を教えるに留まっていた「福島里の子会」も、子どもたちの『まだまだ日本舞踊をやりたい!』という声から、日本舞踊を本格的に教えはじめ、毎年新しい生徒を迎えながら活動を続けて10年が経ちました」と、これまでの活動を振り返ります。「どんどん練習を厳しくしていきましたが、子どもたちは辞めることなく、日本舞踊を通して成長しています。特に舞台で多くのお客さんに見てもらうたびに、大きく成長しています」

震災を経てさらに活発になる活動と強くなる子どもたち

お稽古風景

震災前まで福島で続けていた夏の日本舞踊合宿。震災直後は岡山大学の学生ボランティア「おかやまバトン」の方々の好意により、岡山で行うことになりました。岡山の合宿では、ボランティアの方々の善意に対して、精一杯の踊りでお返ししました。こうして震災後も練習を積み重ねた子どもたちは、震災から2年後の新舞踊民謡全国大会に出場し、見事文部科学大臣賞を受賞。平成23年に続く2度目の第一位に輝きました。
震災から約3年後、花柳さんは「福島里の子会」を、社会貢献の一翼を担う組織にしたいという想いから、セーブ・ザ・チルドレン監修の元「一般社団法人 伝統文化みらい協会」を設立しました。環境が整うと、高校生・大学生に成長した生徒たちは、これまで以上に主体的に、明るく元気な福島を発信。5年間お世話になった「おかやまバトン」の活動をつなごうと「ふくしまバトン」を立ち上げ、支援される側から、支援する側へと変わり始めました。

福島の民俗芸能の未来を救う「ふくしまバトン」

2016年、「ふくしまバトン」は、高校生を中心に津波と原発事故で避難を余儀なくされている地域を中心に、古くから伝わる民俗芸能を残していく活動「民族芸能バンク」を始めることになりました。「民俗芸能も日本舞踊も今、子どもたちにバトンを渡さないと未来に残せません。変えていい部分はどんどん変えたらいい。若者を信頼し、委ねることによって、学びたい、伝承したいという情熱が内側から湧き上がってくる環境づくりこそ、大人の役目だと思います」と話す花柳さん。「身体で覚えたものは忘れない」、「文化も自分のもの」として伝統文化を受け継ごうとしている若者たち。その目には、はるか未来を生きる子どもたちにバトンを渡すのも自分の役目という強い意志があります。

将来の夢

生徒伝統文化みらい協会 4期生
小学3年生のときに、友達の発表会を見て始めました。それまでやっていた習い事は続かず、すぐ辞めてしまいましたが、日本舞踊だけは楽しく続けることができました。先生はすごく厳しい時もあるけど、いつも私たちのことを考えてくれている最高の師匠です。先生がいなかったら、今の私もいません。昨年6月はハワイで日本舞踊を披露しました。今年3月はロンドンの東日本大震災メモリアル・イベントで踊る予定です。将来の夢は日本舞踊を世界に広めることです。

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